大人のピアノ
近年はピアノを始める大人がとても多いですが、その中でも小さい頃にピアノを習っており、大人になってから再開してみたいといった人も少なくありません。
大人になって始めた人も、子供のころに習っていたピアノを再開する場合も上達するうえで最も大切なことは音楽を楽しむことです。
子供のころにピアノを習っていた時は、自分で楽しんで習っていたという人はもちろんいますが、逆に習い事として親にやらされていたという人も少なくありません。
練習しないと親や先生に怒られるなどと感じながらピアノを習っていてはどうしても練習が苦になってしまうものですよね。
ピアノに限らず、いかなる分野においても上達が早い人というのは物事を訓練などととらえず、楽しみながらやっているという共通点があります。
練習をしなければという変な義務感にとらえられないように、無理して毎日弾く必要はないので自分のペースで楽しみながら演奏することが大事なのです。
ピアノを弾いたことがない人も大人になってから再開するという人も最初は、ピアノが自分でも弾けるだろうかとか、昔のように弾くことができるだろうかと不安になるかもしれませんが、大丈夫です。
ピアノは何歳から始めても練習すれば必ず上達します。
80代や90代の年齢の人でも遅くはありません。
大人のピアノには大人の特有の魅力があります。
子供に比べて人生経験が豊富なため、音楽に深みが出るのです。抽象的な言い方かもしれませんが、その感性の豊かさがとてもいい表現力になったりします。
子供の頃から曲の時代的背景を考えたり、感性を演奏に反映させるといったことができる人はほとんどいません。
それだけ大人の演奏にはアドバンテージがあるのです。
そして、ピアノを大人になってから再開する人は勘を取り戻すのには意外と早いかもしれません。
もちろん詳しい楽譜の中身などは忘れてしまっていることがあると思いますが、小さい頃に身に付いた勘は意外と今でも残っているものです。
その記憶の能力を裏付けるこんな話があります。
あるピアニストがアルツハイマーになってしまいました。そのピアニストは友人などの名前は思い出すことができなかったのですが、昔演奏した曲は忘れずに弾くことができたそうです。
このように、昔覚えたピアノは、単なる言葉や音の記憶ではなく、からだにしみこんでいるものなのです。