ピアノの正しい姿勢
ピアノという楽器はなにも指だけで弾いているわけではありません。
手首や肩、ひじを用いて体全体で重心を移動させながら弾くことによっていろんな音が出せるようになるのです。
あらゆる筋力が無駄なく使えることが大事なので、ピアノを弾くうえで正しい姿勢というものは重要になってきます。
また間違った姿勢でひくと体を痛めてしまったり、疲れやすくなってしまったりする原因につながります。
特に、大人からピアノを始めた場合は体に力が入ってしまったり、癖がついてしまったりします。
とはいっても、ピアノからいすの距離、腕の高さ、重心、ひじ・肩・脇・首の状態とすべてガチガチに正しい姿勢に固定することを意識してばかりだと、とても演奏に集中できず、逆にピアノを弾きにくくなってしまいます。
なので、最初に最低限の基本姿勢だけをマスターし、あとはそこまで姿勢を生真面目に意識せず、自分なりに弾きやすい姿勢というものを見つけていくのが良いと思います。
基本姿勢
はじめのうちは慣れないので、鍵盤を一生懸命見ようとして頭を下げて下を見ようとしてしまいます。
この姿勢は首や肩、腕を痛めてしまう可能性があるのではじめのうちは、少し胸をはるくらい首筋を伸ばすように意識しましょう。
これをすることによって脱力して演奏することが自然とできやすくなります。
・まずは、椅子に浅めに腰かけ、腕の高さは、ひじからまっすぐになるように高さを調整しましょう。
・さらにひじから手首、手の甲までまっすぐになるようにします。
※このとき、ひじが体にくっつきすぎないような姿勢を保ちましょう。
また、肩やひじは力が入らないようにうまく脱力し、脇は締めすぎないようにこぶし一つ分くらいのすき間を空けておきましょう。
・楽譜を一生延命に見ようとして前のめりの姿勢にならないようにしましょう。
このような状態では思うように手や腕、ひじを動かすことができません。
・鍵盤を一生懸命に見ようとして、背筋が曲がって猫背にならないようにしましょう。
音域の広い曲などを演奏するときに視野が狭くなってしまい、全体が見渡せません。また、体が疲れやすくなってしまいます。
ピアノの正しい姿勢を最初に身に着けておくことによって、脱力もしやすくなり、音をコントロールしやすくなるので、多種多様な音を出すことができます。
姿勢を意識しすぎる必要はありませんが、この最低限の基本姿勢は覚えておきましょう。